【校閲者を目指している方へ】現役校閲者が、校閲の仕事について解説します

mayumi

わたしは異業種から未経験で校閲者になりました。
今回は、校閲者の仕事や魅力についてご紹介しますね。
少しでも校閲という仕事に興味をもってくれたら嬉しいです。

目次

1.校閲者とは何か?

赤鉛筆

校閲者とは、出版物や書籍、Web記事などの文章の正しさや一貫性を確認し、適切な表現に修正する専門家です。
校閲者の役割は、間違いのない質の高いコンテンツを読者に提供することです。

(1)校正との違いは?

校閲と校正は似た言葉ですが、その役割は異なります。
校正は文字や文法の間違いを直す作業ですが、校閲はさらに広い範囲を見渡します。
校閲では内容の正確性や一貫性、表現の適切さ、体裁の揃えなども確認します。
つまり校正は文字レベル、校閲は文章やコンテンツ全体を確認するのが特徴です。

(2)校閲の役割と重要性

校閲作業は、単に間違いを修正するだけでなく、読者が内容を正しく理解できるよう分かりやすさを高める重要な役割があります。
また著作権や景品表示法などの法的な問題がないかもチェックします。
このように品質管理の面で校閲は欠かせない存在で、出版物の価値を大きく左右します。

2.校閲者に必要なスキルと資格

ゆみさん

校正者になるには、何が必要ですか?

mayumi

解説しますね!

(1)必須のスキル

校閲者には高い国語力と文章力が不可欠です。
また、集中力が継続できる作業姿勢や、細かな違いを見抜く観察眼も求められます。
さらに、様々な分野の知識が必要で、調べる習慣と学習意欲が重要視されます。
Web校閲の場合はPCスキルも欠かせません。

みよさん

いろいろあるのですね…

mayumi

校正者は「物知り」でも「博識」でもありません。(少なくともわたしは…)「調べる時間」が業務の多くを占めていると思います。なので「調べることが大好きなひと」には苦にならない仕事です。

(2)資格の有無

校閲者を目指す際、国家資格は必須ではありません。
しかしスキルアップのため専門スクールや講座を受講し、民間の校正技能検定等の資格取得を目指すことが可能です。
わたしは日本エディタースクール校正技能検定を取得後、校正の仕事に就きました。資格は必須ではありませんでしたが、求人情報を見ていると、応募要項に「エディタースクールの校正技能検定中級以上」と掲載されているものもよく見かけました。

3.校閲者への転職・就職方法

校閲者として転職するには、主に3つの方法があります。

(1)スクールや通信教育を利用する

校閲の専門知識を身につけるには、スクールや通信教育を利用するという方法があります。
わたしはスクールに通いましたが、今まで出会った校正者の方は、業務の中で覚えたという方が多いです。
まったくの初心者で、基本的な印刷知識や校正技術を身につけてからのほうが安心だと感じる方には、利用することをおすすめします。

ゆみさん

スクールに通う時間もお金もありません。

mayumi

基本的な印刷用語や赤字入れの仕方は、独学でも済ませておくとよいです。業務は当たり前ですが、いきなり実践!なので…

(2)クラウドソーシングで実務経験を積む

最近ではクラウドソーシングサービスを活用して、実務経験を積む人も増えています。
報酬は案件により異なりますが、未経験でも気軽に校閲の仕事に携わることができます。
安価な単価の仕事から始めて徐々にスキルを磨き、実績を重ねていくのが一般的なパターンです。

みよさん

未経験からでもできるのですね!

mayumi

わたしの初めての仕事は0.5円/1字だったかな?在宅で行う膨大な量の論文校正でした。

(3)就職・転職エージェントに相談する

転職エージェントに相談すれば、自身のスキルや経験に見合った求人を紹介してもらえます。
未経験から正社員として就職する場合は、営業職や編集補助の経験があると有利です。
編集プロダクションなど専門の人材紹介サービスも見逃せない存在です。

mayumi

派遣会社に登録して、仕事を紹介してもらうというのも手です。

4.未経験から始める場合のメリット・デメリット

初心者マーク

未経験(わたしもでした)から始める際のメリット・デメリットをお伝えします!

(1)メリット

・未経験から始められる
・様々な分野の知識が身につく
・フリーランスも選択肢にできる
・副業としても可能

(2)デメリット

・安定収入が得られにくい
・仕事が一定量確保できない可能性がある
・他者からの評価が響きやすい
・ミスへのプレッシャーが高い

未経験から校閲者を目指す場合、メリットとしてはフリーランスやWEB分野への挑戦がしやすいことが挙げられます。
一方で収入の不安定さや、ミスへのプレッシャーといったデメリットも無視できません。
将来の目標を見据えながら、自身に合ったスタート方法を選ぶ必要があるでしょう。

5.校閲者の給与・年収相場について

めぐさん

実際お給料ってどのくらいなの?

mayumi

気になる収入面について紹介します!

(1)雇用形態による違い

正社員として出版社や企業に勤める場合と、個人でフリーランスとして活動する場合では、収入面で大きな開きがあります。
出版社勤務であれば年収400万円以上も狙えますが、フリーランスは案件による収入変動が避けられません。
働き方によって年収は大きく変わるので、自身のライフスタイルに合わせて選ぶ必要があります。

mayumi

フリーランスではバラバラですが、たとえば派遣で勤務しているときは、時給1,700円くらいでした。(友人で時給2,000円の方もいましたよ)

ゆみさん

時給2,000円てすごいですね!

(2)経験年数による違い

当然ながら経験年数が長ければ長いほど、校閲者の年収は上がっていきます。
実績を積み重ね、スキルを磨き続けることで、着実に収入アップを図れるのが特徴です。

6.校閲の仕事の将来性と魅力

PC作業中の女性

校閲ってなくならないだろうか…?気になるところですよね。

(1)校閲ニーズの市場動向

デジタルコンテンツの普及に伴い、校閲の需要は今後も拡大が見込まれています。
特にWeb上の記事や電子書籍などでは質の高いコンテンツが求められ、ミスのない状態での発信が不可欠となっています。
さらに、グローバル化の波を受け、翻訳文の校閲ニーズも高まっています。

(2)出版業界の動向

紙媒体の出版は縮小傾向にありますが、それでも根強い需要が残っています。
また電子書籍の普及により、校閲者の活躍の場は確実に存在し続けています。
書籍の品質を担保するため、出版社での雇用は今後も一定数見込まれるでしょう。

(3)IT・Web分野の需要

IT企業やWebメディアでのコンテンツ需要の高まりから、それに伴う校閲の求人も増加しています。
正確でわかりやすい情報発信が不可欠な分野だけに、今後の需要拡大が期待できます。
スキルさえ身につけば、様々な業界で活躍の場を得られる可能性があります。

7.メリット・やりがいは?

だから校閲者をやめられない!理由が2つあります。

(1)自己実現の場

校閲を通じて、自身の知識を活かし、高い完成度の作品づくりに携われるのがメリットです。
作品が完成したときの達成感とともに、自己実現の場となることでしょう。

(2)様々な分野の知識が身に付く

文章を精査する過程で、さまざまな知識を身につけられるのも校閲ならではの魅力です。
調べ物や質問対応を通じて、幅広い知識の習得が可能になります。

また、特定の専門分野に特化して校閲力を磨くことで、その分野の第一人者としての収入を得られる可能性があります。
様々な案件を経験して自身の得意分野を見つけ、徹底的に知識とスキルを高めていく必要があります。

8.デメリット・ストレスは?

mayumi

校閲している最中はだいたい大変です…
でも夢中でやっているので、時間を忘れて没頭しています。

(1)高い集中力が求められる

校閲作業では、長時間の高い集中力が求められます。
一つでも見落としがあれば作品の品質が落ちてしまうため、終始気を抜くことができません。
長期的な作業は大きな精神的ストレスとなります。

みよさん

気分転換大事ですね!

(2)ミスに厳しい

校閲の仕事は、ミスに対して極めて厳しい環境にあります。
修正した箇所の再チェックなども求められ、ミスが許されない責任の重い仕事です。
校閲者には強いメンタルが必要不可欠となります。

このように校閲の仕事には、充実感と達成感を得られるメリットと、高い集中力とミスへの責任を強いられるデメリットの両面があります。
自身に合った働き方を選びながら、このようなリスクにも備えておく必要があるでしょう。

9.さいごに

いかがでしたか?
校閲の仕事は、責任が重くプレッシャーも多いですが、やりがいのある仕事です。
スキルと知識、そして強い精神力があれば、様々な分野で活躍できる可能性があります。

ライター、編集者から転身したり、同時に行うこともできますよ。
校閲者を目指す方を応援しています。

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